信越五岳が終わって。


第4エイド(4A):黒姫(51.5km地点)

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ここで、既に30分ほど横になっている。


ここで補給したものは、全て戻してしまった。

今日の高い気温と陽射し。

そして水分補給の失敗。

ウエストポーチに、500mlのボトル1本で走り出してしまった今回の信越五岳。

脱水症状に陥ってしまった。




ひとつ前の第3エイド(3A)に着いた時点で、既にフラフラ。

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水のない状態で、袴岳を越えてきた。

ここで、熱中症の症状が出ていた。



去年の寒かったイメージが強すぎて、給水を甘く見ていた。

かぶり水を頭からかぶっても、身体は熱を持ったまま。

3Aでも、20分程、横になって休んでいたけれど、

冷やしトマトひとつしか、カラダは受付けなかった。




3Aから、次の4Aまでは、13km。

関川の河川敷を上流へと上がる。

ジリジリと照りつける河川敷が延々と続く。


もちろん、走れる状態じゃない。

フラフラと歩くだけ。



7km先の公園に私設エイドがある。

ただ、そこまでも、ボトルの水だけでは持たない。

水を飲めば、汗が出るけど、たちまちに乾く。

明らかにカラダの水分が足りていない。

カラダを冷やすことができない。



私設エイドのある公園で、日蔭を見つけて横になる。

シューズを脱いで、横になる。


今日は、もうムリだ。

残念だけど、仕方がない。

3Aに引き返すか?




目をつむって、どれぐらい時間がたったのだろう?

起き上がると、まわりに何人もの選手が横になっている。

みんな、同様に暑さにやられている。



3Aに引き返すか?

いや、4Aまで行こう。

4Aでリタイアしよう。



また河川敷をトボトボと歩き始めた。

歩いている選手にさえも抜かされる。

リタイアの理由を色々と考えている自分がいる。




4Aに到着。

かなり脱水している。

水と塩分。

そして、笹寿司を詰め込む。

ムリをしてでも食べないとヤバイと思った。




でも、全て戻してしまった。

やっぱりダメだ。

少し横になって、落ち着いたらリタイア申告をしよう。

シューズを脱いだ。




4Aはアシスタントポイントにもなっているので、選手への応援が賑やかだ。

こんなコンディションのせいか、救護テントで横になっている選手も多い。


4Aは第一関門でもある。

時計を見ると、関門閉鎖の15:30まで、あと1時間半。

スタートから既に8時間以上が経っている。

ここまで、51.5km。


駐車場には、リタイアバスが待機している。

あれに乗って帰ろう。

もう一度、目を閉じる。




気が付いたら、14時半を過ぎていた。

日差しはまだ強い。

身支度をして、係員を目で探した。

そのとき、知人が4Aを出発するのが、目に入った。


ああ、ヤツも苦労しているな。

こんな時間に4Aにいるなんて。



みんなこの暑さに苦しんでいるんだな。

天候はイコールコンディション。

みんな同じ。


だけど、水がないのは、自分のせい。

明らかな失敗。



でも、まだ誰からも、レースを止めろとは言われていない。

自分から止めたくない...。



4Aを出て、関門を通過した。

5Aまで行こう。

第二関門の5Aで、タイムアウトになる。

タイムアウトになれば、止められる。

5Aの関門閉鎖は、18時。

あと3時間半歩こう。



4Aを出ると、黒姫山の中腹まで登る。

早くも乾きが襲ってきた。

カラダの水分は、汗となって出て行ってしまう。



暑さと、喉の渇きに苦しめられながら、

スタートから10時間が経った。

緩やかな下り坂も走れないほどに疲労している。

水は全くない。




5Aは、乙見湖の駐車場(66.6km地点)。

そこに行くには、一度、川まで下りてから、吊り橋を渡り、

水力配電所のパイプライン脇を登っていく。



川の手前で、水の音がする。

湿原の小川だ。

躊躇なく、小川の水を飲んだ。

ホントにヤバかった。



発電所を登れば、5Aまでは5km。

笹ヶ峰高原の牧場脇を通り、キャンプ場を抜ければ、5Aだ。

ようやく止められる。

今のペースで行けば、ちょうど関門タイムアウトだ。




おや?

5A手前、2kmぐらいのところで、選手が逆走してくる。


違う...。

ゼッケンを付けているけれど、選手じゃない。

ペーサーの人だ!



5Aは、第二関門であり、後半に向けて、ペーサーと合流するポイント。

まだ来ない選手を迎えに、ここまで走ってきたのだ。


関門閉鎖まで、あと20分。

「間に合うよ!がんばって!」

彼は、僕にそう言って、来るかわからない選手を迎えに走っていった。

僕は、愛想笑いしかできなかった。




キャンプ場には、色とりどりのテントが張ってある。

この連休をファミリーで過ごしている人たちだ。

ここを抜ければ、5Aまで1キロちょっと。




「ガンバー!」

手を振って走ってくる人がいる。

うっきーさんだ。


去年のアドベンチャーレースでのチームメイト。

偶然を装い、ファミリーでこのキャンプ場に来ていた。




「まだ間に合うよ!」

「走ろうよ!」


歩いていた僕は、促されるように走りだした。

関門閉鎖まで、あと10分。



今日、水も持たずに走ったこと。

脱水症状で、寝ていたこと。

この5Aでリタイアすることを話しながら、走った。



関門閉鎖の3分前に5Aに入った。

ドロップバックを受け取り、シャツを着替えた。

ここで、終わろう。




関門間際の5Aは騒がしい。

まだ来ない選手を待ちわびるペーサーや応援の人たち。

慌ただしく出発する選手たち。

そして、

ここでリタイアする選手たちがいる。




関門時間のカウントダウンが始まった。

ギリギリで駆け込む選手。

仲間と抱き合って喜んでいる。



そんななか、

リタイアバスの出発時刻のアナウンスが流れる。




「何か手伝うことある?」

「欲しいものは?」

「ゴミとかある?」


うっきーさんが、色々と気を使ってくれる。

いつ来るかわからない僕を待っていてくれた。

素直にうれしかった。



「うっきーさん、オレ、行くよ」




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コメント

S.N. #-

どんなにキツクても、辛くても、自分からレースを止めることなく、ゴールを目指して進む姿勢に、感銘を受けました!素晴らしい!
「思いっきり楽しむ」という目的が達成できたかどうかは怪しいですが、まずはゆっくり休んで下さい。
お疲れ様でした。

2012年09月19日(水) 12時33分 | URL | 編集

ドタバタ #-

Nakaoさん
キツイのも、ツライのも、全部ひっくるめてレースですからね。
そういう意味では、思いっきり楽しんでこれました(笑)
ありがとうございます!

2012年09月19日(水) 14時43分 | URL | 編集


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